Academy of Astrology Japan

魚座木星:広がる善意、高まる霊性

咲耶まゆみ

2021年5月中旬から、風の時代の到来を象徴した水瓶座の木星から水のサイン魚座に入った年7月頃まで同サインを運行した後水瓶座に戻り、その後大きな節目である冬至の少し後の12月29日にまたホームサインの魚座に帰省しました。
今年は木星は5月11日に魚座から牡羊座に入り、7月28日に再び魚座に戻って12月22日まで同サインに滞在します。

水のサインであり伝統的に木星が司っていたサイン魚座の木星入り。この大きなエネルギーシフトの中、私たちがこのソーシャル天体に投影する世相は良い意味で大きく変わるのではないかと期待を膨らませています(これ自体魚座(期待)木星(拡大)的ですね。。)。

木星が司るギリシャ神話の神はオリンポスを統治する最高神ゼウス。
子供に権力を奪われることを恐れ、次々と妻レアが出産する赤ちゃんを飲み込んでしまうクロノスを見かねたレアは、ゼウス生まれた直後に山のニンフ(妖精)に赤子を預け、「生まれました」と布で包んだ石を渡して夫クロノスを騙したお陰でゼウスは幸運にも災難を逃れることができました。

山奥でニンフに守られながら立派な大人に成長したゼウスは最初の妻で知恵の女神メティスの力を借りて父親クロノスを倒し、 父親に飲み込まれた兄弟たちを救出します。
その後メティスはゼウスの子供を身籠りますが、 ゼウスも 父親と同じように子どもに権力を奪われることを恐れ、 妻メティスをお腹の赤ちゃんごと飲み込んでしまいます。
メティスはゼウスと同化し、ゼウスに賢明な助言を与え続けたため、ゼウスはオリンポスに君臨する秩序、正義、法を司る全知全能の主神となったのです。

全知全能の最高神ゼウス

占星学的に見ると、そんな神様が司る木星が象徴するのは「真理・真実」そして「意識」。つまり、社会の中で私たちが当たり前の事として認識する疑いの余地のない事実。意識が選ぶ私たちの世界観や信念や価値感にもなる真実です。

木星が配置するサインは私達の意識がどこに向いてどこへ広がっていくか、どこに真理を求めるかを示します。

21年12月まで滞在していた水瓶座は、世界中でコミュニティや集団の大きな覚醒が促されるような想定外の出来事が次々と起こり、平等性や人道的活動や意思・主張・事実を訴える集団デモも多く見られました(今も各所で続いています)。 この期間、どんな心象体験があったかはそれぞれ個人によって当然異なりますが、私たちの多くの世界観や価値観、また意識は今まで想像しなかったほど変革されました。

そして今年はまた他のサインを行き来しますが、木星は魚座を運行。木星は魚座の伝統的守護星。魚座が象徴するのは思いやり、無条件の愛、霊性、あるがままの事象を受け入れられる寛容さ、無意識。芸術、夢、象徴、神秘性を通して伝えたり、 それらに答えを求める性質。非論理的で、確固たる事実よりも願いや希望。被害者や救世主。

一方、木星は寛容さは持ちつつも論理的で、時には利己的で、厳格であったり冷徹な裁きを下すこともあります。

従って木星の魚座入りは、究極の心の価値(魚座)と究極の知性の価値(木星)、優しさと非論理性(魚座)と英知と論理性(木星)、高次の霊徳(魚座)と高尚な道理(木星)の融合を象徴します。

どんな具体的出来事が起こるかは分かりませんが、私たちの意識はまた新しい領域で広がっていくことは間違いありません。魚座木星では、私たちはより思いやりと想像力を受け入れて霊的に開いていく事が促されることになるでしょう。

木星は他に「幸運」、「拡大」、「豊かさ」も象徴します。 木星が魚座にいる間はゼウスは、弱者に手を差し伸べたり、見返りを求めずに与える行為、思いやり、想像力、信念を持ち続け委ねる事、精神性・霊性を高める活動に微笑みかけてくれるでしょう。

霊的に開かれるということは、今まで肉体が体験したことのない高い次元のエネルギーを摂してくことを意味します。 地球上で生きる以上は魂の乗り物である肉体・感情体も維持していかなければなりません。これからは一層身体と心も十分にケアしていく必要もありますね。 

意気消沈したり、疲れたり、怒りを覚えたり、バランスを崩したと思ったら 深呼吸を繰り返して綺麗なお水をたくさん飲んで、食事は軽めにして睡眠時間をたっぷりとって一人で静かに過ごす時間や自然の中にいる時間を増やすといいですね。思いやりを自分に向けること。

また、魚座はストレートに表現することはありません。虚構や歪みも象徴するのも魚座。何もかも額面通りに受け止めず、まずは深呼吸して自分の心が何を感じるか確認して、直感を磨く訓練も促されそうですね。

投資に関心ある人への情報としては、魚座木星の間盛り上がりを示す分野は海洋、造船、メディア、製薬、浄水、石油、NGO、衛生日用消耗品(AOA主宰金融アストロロジーの権威クリスティーン・スキナー先生の講義より)。

着目したいのは、4月中旬のホームサインの魚座でコンジャンクションとなる主ルーラー木星と副ルーラー海王星両天体の天王星とのセクスタイル。何かワクワクしたり、アッと驚かされることがありそう。

純粋な真理と霊性を求める人が増え、私たちの生命線である水が保護され、創造性豊かで温かい善意が社会に広がっていく半年になることを願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

咲耶まゆみのコラム Mayumi Sakuya’s article

クリスチャン・コノグ先生のコラム Christian Koenig’s article

ロッド・チャン先生のコラム Rod Chang’s article

メラニー・ラインハート先生のコラム Melanie Reihnhart’s article

スー・トンプキンズ先生のコラム Sue Tompkins’ articles

ブライアン・クラーク先生のコラム Brian Clark’s articles

ダービー・コステロ先生のコラム Darby Costello’s articles