Academy of Astrology Japan

 魚座の金星 ♓♀  

スー・トンプキンズ著  「コンテンポラリー・アストロロジャーズ・ハンドブック」より抜粋
咲耶まゆみ訳  完全翻訳本「西洋占星術ハンドブック」はこちら

これはロマンチックな配置でお姫様、人魚、バレリーナ、映画スターの女性的なイメージを想起させる。

相当受け身な配置で、ぱちぱちと1、2回瞬きをする以外は、あからさまに何か言ったり、やったりすることなく相手を誘惑できる。容易に誘惑されやすく、大抵のことは何でも受け入れる魚座人もいる。関係性の中で自分を見失う傾向がある。金星と海王星のアスペクトのように何等かの形で自己の喪失や降伏する愛となり、何等かの犠牲が求められる事が多い。同様に、関係性は日常の単調な仕事からの逃避先になることもある。典型的な魚座金星タイプは何かまたは誰かに身を捧げたいか、捧げる必要があると感じる。金星は魚座でエグザルテーション(高揚)。それは性差別主義(この配置が本質的に受動的で魅惑的な性質をもつ)に原因があるのも理由のひとつだが、別の理由としては、というより関連する理由かもしれないが、この配置の金星は協力しやすいからだ。なかなか自分の立場を貫くことが出来ないのがマイナス面だ。

魚座金星人の中には心のコミットで問題を抱える人もいる。相手を愛しているのか分からなくてただ相手の自分への愛に浸りたいだけの場合もある。コミットは他の可能性への扉を閉じるという意味もある。始まりの時の物言いたげで、ロマンチックな恋愛を見失うことは気が進まないものの、魚座金星人の愛は所有とは絶対に関わらない上に、この配置を持つ人の多くは拘束力のある契約や約束のないシナリオに携わる。人によってはプラトニックな関係に心地よさを感じるか、そのような関係性に陥る。これはよりスピリチュアルで普遍的な愛に引かれるからだ。性的行為はあまりにも粗野に感じる。

チャート全体にもよるが、ここに金星を持つ人は不安そうで意気消沈しているように見えることで人を引き付ける場合もある。他者が単純に魚座金星人を可哀そうに思えたり、救ってあげたいと思うというシナリオが考えられる。一方で、この配置を持つ人によっては理由が何であれ、弱くて人生を軌道に乗せることが出来ない人に引かれる。依存的なパターンを持つ場合もあり、依存性と非依存性の問題を抱える関係性や、場合によっては金銭関連の偽りや誤魔化しもこの魚座金星の領域に入る。

プラス面は、魚座金星タイプは受容的性質で人を癒す素質があるということだ。付き合いやすい人にする性質だ。この配置は、音楽の審美眼、特にダンスに関連する。

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